PROFILE

1962年、埼玉県秩父市生まれ。絵画や彫刻を経て陶芸を志す。島根県・出西窯にて修行したのち、2001年に秩父・荒川源流のほとりに窯を開く。山、川、風、空……空気から伝わるインスピレーションを頼りに土と向き合う日々。心があたたかくなるような作品を大切に生み出している。

 

BIOGRAPHY

1962年
埼玉県秩父市生まれ。
1983年
画家・中村宏より絵画を学ぶ。
1984年
テント劇団の舞台美術を担当し日本各地を巡回。
1987年
スイスのシュタイナー学校を視察。
1991年
彫刻家・遠藤利克の助手を務める。
1995年
欧州旅行をきっかけに陶芸の道に進む決意を固める。
1996年
島根県・出西窯(しゅっさいがま)にて陶芸を学ぶ。
2001年
埼玉県秩父市に gotica陶芸工房を開く。
2013年
陶芸家・村木雄児の薪窯による窯焚きに参加しはじめ、伝統陶芸と現代陶芸のあり方を考察するようになる。
 
 

about me

二十歳の頃から絵画表現を模索してマチエールを追求するうちに「土」を「焼成」するという行為に出合った。土をこねる。土を形づくる。土を引っかく。土を太陽に照らし乾燥させる。土を焼成させる。これらの行為に一種の快楽を覚えた。

我が国にとってアートはたかだか明治維新以降の概念でしかありません。私は最近よく、江戸時代の先祖が暮らしていた世界をイメージします。ペリー来航からの凄まじい時代の変化はスローペースの人間を取り残し置き去りにしている、そんな気がしてなりません。

もちろんタイムマシンに乗って江戸時代に帰りたいとは思いません。万葉の頃から受け継いできた美意識や価値観が現代美術の領域でもう一度浮上してくれれば、と思っているのです。それは江戸情緒やクールジャパンなどといった生易しいものではなく、次世代の世界秩序をイメージするものとなるでしょう。表現者として世界を見つめ、形にならない形を模索し続けるつもりです。